「商談で相手を納得させたい」「分かりやすい提案資料を作りたい」
ビジネスの場面で欠かせない商談や提案ですが、成功させるコツは提案資料の作り方にあります。
提案資料に必要なポイントや構成を押さえてパワポを作成すれば、誰でも効果的な提案資料が作れますよ。
この記事では、以下の内容を解説します。
- 提案資料とは
- 提案資料の失敗例
- 提案資料をパワポで作成する時に確認したいポイント
- 提案資料のパワポでの作成ステップ
- 提案資料をパワポで作る場合の基本の構成例
是非提案資料の作り方をマスターし、ビジネスに活用してくださいね。
提案資料とは?ビジネスに欠かせない資料の種類を解説
提案資料とは、提案先が抱える課題に対して解決策を提案するために作成される資料です。
主に社外の提案先に対し、自社の製品やサービスがどのように役立つかを伝えることが主な目的になります。
相手が必要としている情報を渡すことが大事!
他によく使われるビジネス文書として企画書、営業資料などもありますが、提案資料とは何が違うのでしょうか。
企画書は新たなアイデアやプロジェクトを説明し、社内外問わず関係者の同意を得るために作成されるものです。
営業資料は顧客向けに、自社のサービスや商品を広く紹介するための資料になります。
使用する場面に応じた適切なビジネス文書を選びましょう。
提案資料の失敗例
提案資料の失敗例として、以下の3つが挙げられます。
- 提案先の課題認識ができていない
- 提案先へのメリットの提示がない
- 口頭説明前提の資料になっている
それぞれ詳しく見ていきます。
提案資料がイケてないとビジネスの成功につながりにくいかも…
提案先の課題認識ができていない
提案先の課題を正しく認識できていない提案資料は、提案先からの信頼を大きく失ってしまいます。
提案先が業務効率化を求めているのに対し、コスト削減のみを強調した提案では、提案先のニーズを満たしているとは言えません。
このように、提案先の課題認識ができていないと提示する解決策や提案も的外れな内容となってしまいます。
提案先へのメリットの提示がない
提案先のメリットの提示がない提案資料も失敗例の1つと言えます。
「自社にはこんなサービスがあります!」と、伝えたいことだけを述べた資料になっていませんか?
提案資料では、提案先の課題やニーズに対し、自社サービスがどのように役立つのかの提示が必要です。単なる自社サービス紹介や実績を述べるだけの資料にならないように気をつけましょう。
相手が何を求めているのかを把握して、先回りして情報を渡すようにしたいわね
口頭説明前提の資料になっている
口頭説明前提の資料になっているのも提案資料の失敗例の1つです。
提案資料でプレゼンを行っても、その場で採用が決まることはほとんどありません。多くの場合、一度社内に持ち帰って責任者に判断を仰ぐことになるでしょう。
提案会議の場に決裁権を持つ人が出席していない場合も十分に考えられます。
その場合、決裁者は提案会議に出席した人からの口頭報告と、提案資料のパワポを基に判断することになるため、資料だけで内容が伝わるようにしましょう。
口頭説明前提の方がいいケースもありますが、提案資料においてはそれだけで内容が伝わることが大事です!
提案資料をパワポで作成する時に確認したい5つのポイント
伝わる提案資料をパワポで作成するために、確認したい5つのポイントがあります。
以下のポイントを押さえれば、最低限の要件を満たした提案資料が作れます。
- 提案書の目的と相手を明確にする
- 提案先の課題を正しく認識できているか確認する
- 提案先へのメリットを定量的に提示する
- 提案内容の根拠を明確にしておく
- 伝わりやすいデザインや構成を意識する
それぞれ詳しく見ていきます。
しっかりチェックしておこう!
提案書の目的と相手を明確にする
提案資料をパワポで作り始める前に、まずは提案書の目的と相手を明確にしましょう。
提案書の最終的な目的は、提示した解決策を採用してもらうことです。採用されるためには具体性や説得力のある内容にすることが重要。
また提案先がどの程度前提知識を持っているかを把握し、専門用語の解説が必要かどうかも検討しましょう。
更に、担当者だけでなく決裁権を持つ人もイメージし、資料単体でも概要が伝わる構成を意識すると良いですよ。
ターゲットによって資料の作り方や言葉選びも変わってくるね!
提案先の課題を正しく認識できているか確認する
提案先の課題を正しく認識できているかの確認も大切です。
提案先が改善したいと思っていること、困っていることに関する情報収集をしっかり行いましょう。
まず提案先について知ることも情報収集において効果的です。その会社の事業内容や市場の状況、従業員数や弱み・強みといったポイントから調査してみましょう。
相手に寄り添えていない提案なんて誰も見たくないわ…
提案先へのメリットを定量的に提示する
提案先の課題に対し、提示する解決策で得られるメリットを定量的に提示することは提案の説得力を大きく高めます。
「コスト削減が見込めます」という定性的な表現では、具体的な効果が伝わりづらいですが、「このサービスの導入により、年間コストを20%削減し、120万円の経費削減ができます」と明確に数字を示すことで、提案の具体性が増し、相手の意思決定を後押しできるでしょう。
定量的に提示することで、どのくらい価値があるのかを測りやすくなるわ!
提案内容の根拠を明確にしておく
提案内容や、得られるメリットの根拠を明確にしておきましょう。
「このサービスの導入により、年間コストを20%削減し、120万円の経費削減ができる」というメリットを例にあげると、どのような仕組みや工夫で年間コストが削減できるようになるのか、過去の導入事例やシミュレーションの結果を示すと、相手の納得度が向上しますよ。
根拠がない説明は相手に不信感を与えてしまう恐れもあります。提案資料に含める事柄には必ず根拠を設定するようにしましょう!
「理由はないのによくそんなこと言えたもんだ」と言われないようにしないと…
伝わりやすいデザインや構成を意識する
説得力の高い提案資料をパワポで作る場合、提案内容だけではなく伝わりやすいデザインや構成を意識することも大切です。
以下は、具体的に意識するべき点の1例です。
- ワンスライド・ワンメッセージ
- スライドに余白を作る
- 人間の視線の流れに沿って情報を配置する
伝わりやすいデザインや構成については、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
提案資料 パワポで作る時の作成ステップ6つを解説
それでは、具体的に提案資料をパワポで作る時の作成手順を見ていきましょう。
以下の6ステップでパワポを作成すると、まとまった構成の提案資料を作れますよ。
提案先の情報をリサーチする
どうすれば課題を解決できるかを考える
自社が解決策を提示する理由やメリットを考える
どのような流れにすると最も伝わりやすいかを考えて構成する
聞き手を惹きつけるようなタイトルに設定する
見やすいデザインで作成する
①提案先の課題を抽出する
まずは、提案先についてリサーチを行い、提案先が抱える課題を抽出しましょう。
その際、会社の事業内容や市場の状況、従業員数や弱み・強みといったポイントも調査し、予算感などについても当たりをつけておくと、現実的な提案ができますよ。
提案で恥をかかないためにも相手のことはよく知っておくと安心だわ。
②課題の解決策をリストアップする
抽出した課題に対し、考えられる解決策を書き出し、リストアップしましょう。
この際、一般的な解決策だけでなく、提案先の業界特性や企業文化に合わせた具体的な方法を考慮することが重要です。
また、提案先にとって現実的な提案か、提案先の希望に合った解決策かについてチェックしながらリストアップすると良いでしょう。
机上の空論にならないように注意しよう!
③解決策と自社サービスを結びつける
②でリストアップした解決策の中から、自社が提供できる商品やサービスを結びつけていきましょう。
例えば、提案先の課題としてコスト削減が最優先の場合は、自社の低コストなサービスを提示し、具体的なコスト削減効果を示すことで、魅力的な提案にできますよ。
自社商品やサービスを導入することでどう変わるのかを伝えることが大事!
④提案資料の全体の流れを決める
提案先の課題抽出と自社が提供できる解決策についてまとめたら、提案資料全体の流れを決めましょう。
提案資料の基本の流れは次の「提案資料をパワポで作る場合の基本の構成例」で詳しく説明しています。
⑤各資料のタイトルと内容を決める
④で提案資料全体の流れを決めたら、各スライドのタイトルと内容を決めていきます。
ワンスライド・ワンメッセージを意識し、1つのスライドで伝えたいことや重要な内容は1つに絞ると良いでしょう。
たとえ、伝えたいことが多くあっても、情報を絞るようにしよう
⑥デザインを整える
余白や、画像や文字の配置、文字サイズなどのデザインも整えながら各スライドを作成していきましょう。
見やすいデザインについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、是非参考にしてくださいね。
提案資料をパワポで作る場合の基本の構成例
ここでは、提案資料をパワポで作る場合の基本の構成例を解説します。
以下が、パワポで作る提案資料の構成の基本です。
- 表紙
- 提案先の課題の提示
- 提案内容の提示
- 提案内容の根拠と理由
- 提案先が得られるメリット
- 予算・費用・スケジュール感
それぞれ詳しく解説します。
表紙
表紙には、「誰に対する資料か」「何についての資料か」が伝わるタイトルを提示した上で、以下の内容も記載しましょう。
- 提案資料のタイトル
- 提出日付
- 提出先の宛名
- 提案書を作成した企業名
タイトルは一番大きいフォントにし、その他の項目はタイトルより小さめのフォントサイズにすると良いですよ。
最初に興味を持ってもらえないとその後は意味がなくなっちゃう…
提案先の課題の提示
提案先の課題を具体的に提示します。
提示する課題を提案先が認識しているか、していないかによって提示方法も以下のように変わります。
- 提案先が認識している場合:前提を再確認できるように課題を提示するだけで良い
- 提案先が認識していない場合:課題である理由や根拠も含めて詳細に提示する
必要に応じて具体的な数値データや事例を用いて作成しましょう。
提案内容の提示
提案先の課題に対し、具体的な提案内容を提示しましょう。
自社の製品やサービスがどのように課題解決に貢献できるのか、具体的な方法やプロセスを示す必要があります。
図表やフローチャートを活用して視覚的に訴えるのも効果的ですよ。
提案内容の根拠と理由
提案内容の理由と根拠を述べましょう。理由や根拠は、提案の信頼性を高めるために必要です。過去の導入事例や実績のデータを使用すると効果的ですよ。
提案先が得られるメリット
提案を採用することで、提案先が得られるメリットを定量的に提示しましょう。
定量的なメリットの示し方として、以下の例が挙げられます。
✕ コストを削減できる → 〇 コストを20%削減できる
✕ 業務効率が向上する → 〇 業務効率が30%向上し、月間50時間の作業時間が削減できる
✕ 売上が伸びる → 〇 月間売上が平均15%増加する
自社製品の強みのアピールではなく、提案先の視点に立ち、提案先の利益になることを強調することが重要です。
相手からどう見えるのかを意識しよう!
予算・費用・スケジュール
提案を採用してもらった場合に必要となる下記の項目について、明確に提示しましょう。
- 予算や費用
- 実施スケジュール
予算は、総額だけではなく項目毎に示します。更に提案内容が複数ある場合はそれぞれの費用を示しましょう。
実施スケジュールも明確に示すと提案先が導入を具体的にイメージしやすくなります。
まとめ|メリット提示と構成を重視し伝わるパワポ提案資料へ
この記事では、伝わる提案資料をパワポで作成する場合の作成ポイントや作成ステップを解説しました。
提案資料では、自社が伝えたいことを一方的に伝えるのではなく、顧客の課題認識をした上で、顧客のメリットとなる提案をすることが重要です。提案する際は根拠も明確に示しましょう。
この記事を参考にすればスムーズに、相手に響く提案資料を作成できます。
メリットの提示と、資料の構成を意識し、伝わるパワポの提案資料を完成させましょう。
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